10NEWS

2010年1月10日、僕はroundaboutを立ち上げました。
2020年1月10日、あれから10年経っていました。

アパレル・エリートどころか服飾の学校にも行っていない、
セレクトショップに勤めたこともなく、業界のコネクションは
皆無でした。
きっと今の自分だったらブランドを立ち上げようなんて
考えもしなかったと思います。

ブランドを立ち上げた頃、某セレクトショップに勤めていた友人が
ブランド名をいくつか挙げ、どのブランドも食べれるようになるまで
4~5年はかかったらしいという話をしてくれました。
だからお前も粘り強く頑張れと言ってくれました。

しかし当時、取引先が数社しかなかった自分にはとてもではありませんが
5年も続けられる自信など微塵もありませんでした。
自分がブランドを立ち上げるなんて厳しいということはわかってはいた
つもりでしたが、いざ始めてみると微かにあった自信も木っ端微塵に
砕けていました。
「心が折れた」という表現がまさに当てはまるような状態でした。
ボキボキに折れた中に1本だけなんとか神経だけ残っている、
そんな状態でした。

何度も何度も、このシーズンで数字が下がったらもう辞めよう、
このシーズンで取引先が減ったらもう辞めよう、そんな気持ちに
なっていました。
本当にみっともないですが、それが事実です。

でも、そんな時に限ってなぜか数字が伸びたり、取引先が増えたり…
自分でも不思議な気持ちでした。
何かに生かされているのかとすら思えました。

そうは言っても結局、5年半、ブランドで食べていくことはできず、
平日は夕方から翌日の朝までアルバイトをし、家に帰り、シャワーを浴びて
2~3時間寝て、ブランドの仕事をする…そんな生活を送っていました。
30歳を過ぎてもアルバイトで食べている、正直、自分が惨めでした。
それでも1つ言えることは、どうしてもブランドを続けたかったということです。

どれだけ辞めたいと弱音を吐いても、アルバイト生活は惨めだと思えても
やっぱり本音はブランドを続けたかったのです。
何がなんでも続けたかった、どんなに格好悪くても、何かに縋り付いてでも
roundaboutというブランドを継続したかったのです。

それから徐々にブランドで食べていけることができようになり、
気付いたら10年経っていたという感じです。
今でもけして良い生活ができているわけではありませんが、
それでも生きています、roundaboutで。

10年やっていく中で知り合えたお店・人がたくさんいて、
もちろん去っていったお店や人もいて…
さらには10年間ずっと取り扱ってくれているお店もあって、
兎にも角にも10年間続けてくれたのは間違いなくroundaboutと
関わってくれた人のおかげで、僕には感謝しかありません。

これからまだまだ5年、10年、20年…とブランドを続けたいと僕は思っています。
11年目のroundaboutも何が起こるかわかりませんが、どんなことがあっても
これまで通り、ブランドを継続することを第一に、粘り強く歩んでいこうと
考えています。

皆さんも懲りずにこれからもroundaboutを好きでいてくれたらと思っています。
宜しくお願い致します。


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